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パラソルの影から手を振るよ

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PAから見たバンドの適切な音量バランスについて

新幹部が決定しましたね。1年間頑張れ~

学祭で少し思うことがあったので、今回はPAの観点からライブの際に注意してほしい音のバランスについて記事を書こうと思います。

なお、今回の記事は2年前に39代浜谷さんが部会で行ってくれたPA学概論の講義を参考にして書いていきます。当時の動画があるので見たい人は僕に声を掛けてください。



基礎知識として、ギターアンプの音はマイクで録り、ドラムはバスドラム・フロアタム・Lowタム・Hiタム、スネア、(ハイハット)をマイクで録っています。マイクで録った信号はミキサー(PA卓)に送られます。キーボードやベースの音は「DI」という安全装置みたいなものを通してミキサーに送られます。

送られてきた信号を、ミキサーで上手く調整してメインスピーカーやモニタースピーカー(返し)から音として出すのがPAの仕事です。険しい顔をしながらつまみをあれこれいじっているのはそういうことなんです。しかしPAに頼っていても良い演奏は出来ません。

以下の図は音友の普段のライブのステージ図です。
水色の部分を見てください。





PAが操作できるのはこの水色の部分のみです。ボーカルの声量やアンプ本体の音、ドラムの生音を操作することは出来ません。PAが操作できない部分は図からも分かる通り、ステージ上で鳴っている音の半数以上を占めています。したがって、いくらPAが頑張っても水色以外の部分に関してはどうすることもできないのです。


バンドの音のバランスが適切なものであると仮定した時、PAは以下の図のように、それぞれの楽器の音をバランス良くメインスピーカーから鳴らしています。






ちなみに返しのモニタースピーカーからは全ての音は出ていません。例えば、下手(向かって左)に立っている人は位置的にベースの音が良く聞こえるので、わざわざモニターからベースの音を返す必要はほとんどありません。逆に、上手(向かって右)に立っている人はベースアンプから遠い位置にいるためベースの音が聞こえづらいですよね。だからモニターからベースの音を返してあげよう、とPAは考えます。このように、返しのモニタースピーカーからはそれぞれ別々の音が鳴っており、どの位置に立っていてもみんなの音が聞こえるような環境を作っています

※ちなみに音友のモニターの環境は現在「4系統」であり、①下手②上手③センター④ドラム・キーボード という系統に分かれています。


ちなみにお客さんが聴くメインスピーカーから鳴っている音を「外音(そとおと)」と呼ぶことに対し、(アンプ本体の音や)返しからの音を「中音(なかおと)」と呼びます。



では、各楽器の音量が適切でないとき、何が起こるか見ていきましょう。

例えばJC(ギターアンプ)の音がクソほどデカかったとします。
ステージで鳴っている音は以下の図のようになり、PAは慌ててメインから出すJCの音を下げます。これでバランスが取れているのならまだいいのですが、外音のJCををいくら下げても「ギターがデカい!」となってしまったらPAはお手上げです。PAは引き算が出来ないのです



 



では反対に、JCの音が極端に小さい場合はどうでしょうか。







結論から言うと、デカすぎるよりはマシです。足りない分は外音で補うことである程度の対応ができるからです。しかし、ギターの音量が小さすぎる時のデメリットはいくつもあります。

①自分の音が聞こえづらいため、演奏しづらい。
②外音(メインスピーカーから出る音)のギターの音量が上がるのでアンプから出てる音と若干違いが出る。
③「これ以上音量が上がらない!」という場合がよくある。(そういう場合はお手上げ)


大きすぎてもいけないし、小さすぎてもいけません。防音室の段階で適切な音量バランスを用意することが必要です。

じゃあその適切な音量バランスってどうやって作るんだよ!という話ですが、ボーカルの音量を基準に考えた方がいいと思います。防音室で練習していて歌が聞こえなかったら何も考えずにミキサーのつまみを上げるんじゃなくて、まず楽器の音量を下げて、ボーカルにもっと大きい声で歌ってもらうようにお願いしましょう。PAをしていて、一番音量を上げられらないのがボーカルだと思います。キーボードの音量は上げようと思えば結構上がりますし、ギターは最悪ステージに上がってアンプのつまみをいじってしまえばなんとかなります。

しかし、ボーカルというのは卓側で上げられる範囲に限界があります。音友PAヘッドの中にはハウリングを覚悟してゲインを上げる人もいますが、僕はハウらせたくないので卓側で無理はしません。(ハウるとみんなPAの方見てくるからね)僕はPAをしていて、これ以上ボーカルが上がらないよ~ってなった時はまず他の楽器を下げて、それでも聞こえなかったら各チャンネルのEQやPANをいじってみてボーカルが浮き出るようなミキシングをします。それでも聞こえなかったら僕は悪くないので諦めてPA卓でお菓子を食べながら漫画を読むことにしています。


あと、ここ数年のライブでは本番前に楽器ごとに音をもらってますよね。あれって実はその「適切な音量バランス」に近いものを演奏前の数分で作ろうとしているんですよ。まあでもPA自身が適切な音量バランスについて分かっていないと確認する意味が無いんですけどね。クリコン準備はビッグファザー青木先生がいないので頑張らないとね。PAヘッドであり新部長でもあるふみや君のおしりをビシビシと叩いていきたいと思います。

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